糖尿病とアルツハイマー病の関係については以前書いたので、
なるべく新ネタ部分を!!
2/2のTBS系
駆け込みドクター!運命を変える健康診断〜アルツハイマー病
の話題ですが、
以前にも糖尿病とアルツハイマー病の関係について取り上げたことがあって、
肥満は糖尿病を招き糖尿病はアルツハイマー病を招く|アルツハイマー病と糖尿病 両方を予防する方法|たけしの健康エンターテインメント! みんなの家庭の医学 2時間スペシャル(7/23)
半年程度で研究や治療法が大きく変わるハズもなく重複する部分が多いので、
たけしの家庭の医学では取り上げられなかったこと、
微妙に言い回しが違うこと等を中心に補足的に書こうと思います。
また、アルツハイマー病の症例というか症状はお医者さんによって
例示する内容が異なるので、↑↑のたけしの家庭の医学の記事と併せて
読んで頂ければ良いんじゃないかな〜と思います。
単なる物忘れとアルツハイマー病(認知症)とはどう違うのか?
森田豊医師の説明が判りやすかったですが、
ポイントは「一部を忘れるか、全部を忘れるか」だそうです。
例@
テレビのリモコンをどこに置いたのか忘れる
⇒単なる物忘れ
テレビのリモコンが何をする物なのか、どうやって使うのか判らなくなる
⇒アルツハイマー病
例A
昼ご飯に何を食べたか忘れる
⇒単なる物忘れ
食事したこと自体を忘れてしまう
⇒アルツハイマー病
例Aナレーションの説明でしたが、
「昼食に何を食べたか忘れる」とか「芸能人の名前を思い出せない」など
ヒントを与えれば思い出すようなことは単なる物忘れで、
忘れたことを自覚しているので生活に支障はないが、
アルツハイマー病の場合は食事したこと自体を忘れ、
他人に指摘されても思い出すことができず、日常生活に支障が出る、
とのことです。
病院で行われるアルツハイマー病検査法=MMSE検査のやり方
一応、春日院長(オードリー春日俊彰さん)のコーナーでしたが、
メインは、今回のゲスト医師の横浜相原病院院長の吉田勝明医師
(リンクは吉田先生の病院HP)
のお話でした。
MMSE(Mini Mental State Examination)検査とは
いくつかの質問から記憶力・計算力・言語力を見極める検査のこと。
全部ではないみたいですが、番組で一部を紹介していたので
心配な方、身近に心配な方がいらっしゃる場合はやってみると良いでしょう。
【MMSE検査 第1問】
(回答例はトライしたアンガールズの田中卓志さんの回答)
Q1:ここは都道府県でいうとどこですか? (回答例:東京都)
Q2:ここは何区ですか?(回答例:世田谷区)
Q3:この施設の名前は?(回答例:東京メディアシティ)
Q4:ここは何階ですか?(回答例:1階)
Q5:ここは何地方になりますか?(回答例:関東地方)
吉田勝明医師によれば、
認知症が進むと「ここがどこか」とか「今は何月何日」ってことが判らないので
最初にやったんだそうですが、
「何地方」っていうのも漠然とした質問だが
(アルツハイマー病の人は)生涯で一番自分が華やいでいた時の土地の名前を
言うこともしばしばあるんだそうです。
【MMSE検査 第2問】
Q1:今から私が言う言葉を覚えて繰り返し言って下さい「さくら・ねこ・電車」
今の言葉はまた後で聞くのでよく覚えておいて下さい
トライしたのはココリコの遠藤章造さんでしたが、このコーナーの最後に
訊かれて答えることができましたが、特に説明がありませんでしたが
アルツハイマーだとこれができないってことなんでしょう。
Q2:100から7を順番に引いていって下さい(100、93、86、79・・・)
吉田先生によれば、認知症の人は100-7=93までは大体できるが、
その次になると混乱して、足し算をしちゃったりデタラメになるそうです。
また、付き添いの家族が助言したりすると「うるさい」とか感情的になる、
とのこと。
Q3:この文を読んでこの通りにして下さい(番組では「目を閉じて下さい」)
吉田先生によれば、(アルツハイマーの人は)言った指示に従えず、
目を閉じた後直ぐに不安になって目を開けて周りを見渡す等するそうです。
【MMSE検査 第3問】
Q:この図形を精確にそのまま描き写して下さい
吉田医師によればこのポイントは
・五角形がきちんと描かれているか?
・五角形が2つ描かれているか?
・きちんと重なるべき所が重なっているか?
を見るんだそうです。
そして、アルツハイマー病の人だと
の様に五角形という認識が無く、空間認知に障害がある、とのことです。
アルツハイマー病の症状は?
吉田勝明医師によれば
アルツハイマー病の患者数はこの10年間でなんと約14倍に増加したんだそうですが、
アルツハイマー病には自覚がないのが特徴
なんだそうで、
吉田先生の「物忘れ外来」では、外来患者さんが誰の意思で来たかを重視し、
「最近物忘れが多いんですよ」と自分で来た人
⇒まず大丈夫(アルツハイマー病ではない)
家族に勧められ、しかも無理矢理連れてこられたような人
⇒非常に危ない(アルツハイマー病の可能性が高い)
とのことです。
■アルツハイマーの初期症状■
⇒新しいことが覚えられない
番組のビデオの例では、「今の電話誰から?」と夫に聞かれたが
妻は電話していたことを覚えていなかった。
⇒日付や場所の感覚が不確か
番組ビデオの例では2014年なのに2007年とメモ書きしていた。
若年性アルツハイマー病の症状は?
若年性アルツハイマー病とは、
番組では若年性アルツハイマー病についてもかなり時間を割いてたんですが、
その割には若年性アルツハイマー病の説明が
「発症年齢が40代〜65歳未満に発症するアルツハイマー病で、
患者数は全国に10万人以上」
くらいしかなかったんですが、どうも原因や治療法がハッキリしてないから
ってことのようです。
gooヘルスケアによれば、
主な原因は遺伝だそうで、原因となる遺伝子は見つかってきてるそうですが、
まだしっかりした遺伝子の診断ができていないんだそうです。
現状では早期発見すればアルツハイマーの進行を遅らせることができるそうですので、
番組で紹介されていた次のような症状があれば「そんなハズはない」と放置すると
危険だってことになっちゃいますね(番組ドクターを訪れた患者さんの例だそうです)。
■若年性アルツハイマー病の初期段階の症状
⇒当たり前にできていたことが突然できなくなる
(「まさか自分が」という意識から現実を受け入れられず発見が
遅れるケースも多いとのことです)
池田貴志さん(仮名)44歳の例
残業が重なり疲労もピークで、深夜帰宅し、寝る準備に取り掛かろうと
押し入れを開けたが布団の敷き方を忘れてしまった
番組最後の若年性アルツハイマー病のドキュメンタリー映像の
伊藤公子さん(現在66歳で8年前に若年性アルツハイマー病と診断された)の例
夫婦でコンビニ店を経営していて商品管理に人一倍厳しかった公子さんが
消費期限切れの商品に気付かなくなったり、レジの打ち間違いをするようになった。
■若年性アルツハイマー病の典型的症状
⇒家に帰る道が判らなくなり、パニック状態
村井京子さん(仮名)45歳の例
・最初は、買い物を終えて帰宅中、通い慣れた道のハズなのに遠回りしてしまったが、
気に留めていなかった
・更に異変が起きて、家に帰りたい意識ははっきりしているのに、
家に帰る道が判らなくなり、イライラと怒りが増幅しパニック状態に陥った
■若年性アルツハイマー病の“忘れる”以外の症状
⇒幻想・妄想・被害妄想・嫉妬
(忘れるだけがアルツハイマーの症状ではないとのこと)
宮本真由美さん(仮名)48歳の例
・子供も独立し夫婦2人切りの生活が始まっていたが、ある日夫が帰ると
4人分の食事が用意されていて、夫が「客でも来てるのか?」と訊くと
「何言ってるの?お父さんとお母さんの分よ」と答えた。
(宮本さんの両親は10年以上前に他界していた)
また、「お義母さん、リンゴ食べたいって言ってたな」などと言いながら
リンゴをむきだした。
・自分の財布を家族が盗むんじゃないかという被害妄想や、
夫が浮気していると勝手に疑い、探偵を雇って監視させるなど異常な嫉妬心
アルツハイマー病(老年性アルツハイマー病)の原因は
加齢・生活習慣・社会との交わりの途切れ、それに“糖尿病”!!
番組ナレーションの説明では、
アルツハイマー病とは
記憶を司る海馬と認知能力を司る大脳皮質萎縮し(脳内がスカスカになる)、
記憶力と認知能力が低下する病
とのことですが、
森田医師、大竹真一郎意思、吉田勝明医師、
ビデオ出演の東京医科大学病院高齢診療科主任教授の羽生春男医師、
それにナレーションの話をまとめると、
■アルツハイマー病の原因■
@遺伝
A加齢
B生活習慣
C社会との交わりの途切れ、対人関係が乏しい、脳を刺激しない日常
(具体的には一人暮らしや、結婚していても年取った夫婦で全然会話がない等)
※尚、森田医師によれば、対人接触が乏しい人のアルツハイマー病発症率は8倍
だそうでう。
D糖尿病はアルツハイマー病は非常に関係が深い
たけしの家庭の医学でもβアミロイド(たけしの家庭の医学ではアミロイドβ)
について取り上げられていましたが、
一部今回の駆け込みドクターの方が詳しい部分があったので記載しておきます。
東京医科大学病院高齢診療科主任教授の羽生春男医師によれば
・アルツハイマー病の症状が出る10〜20年以上も前から
βアミロイドという特殊なたんぱく質が溜まってくることが判っている
・βアミロイドは通常分解された以外に排出されるため体内に蓄積されることはない
・βアミロイドを分解する物質はインスリン分解酵素で、インスリン分解酵素の本業は
文字通りインスリンの分解だが、体内でインスリンが大量に分泌されると、
βアミロイドの分解に手が回らなくなり、βアミロイドが体内に溜まる
・インスリンの生産量を狂わせる大きな原因の一つが
生活習慣病が起因の2型糖尿病で、インスリン分解酵素が不十分になり
βアミロイドが脳内に蓄積し、脳の萎縮が進む
(1型はすい臓の細胞を自らの免疫系が破壊するもので小児期に発症(Wikipedia))
・糖尿病の人はアルツハイマー病になる可能性が3〜4倍高い
・食事の摂り方、量、内容によって血糖値の上がり方が違ってくるので、
食後の血糖を急激に上げない方法が細胞のダメージを抑える
・アルツハイマー病も糖尿病と一緒で食生活が影響していることが多く、
糖尿病予備軍といわれる段階から血糖値が上がりやすいので
アルツハイマー病のリスクは高まっている
とのこと。
大体はたけしの家庭の医学と同じ説明ですが、
アルツハイマー病を発症する人に10〜20年以上も前からβアミロイドが蓄積される
っていうのが怖いところですね。
アルツハイマー病の予防法は
EPA・DHA摂取・運動習慣・知的活動・昼寝・ワイン!
いつもの通り、3食きちんと食べる、バランスの良い食事をする
っていうのが前提ですが(ノ∀`)、
@EPA・DHAの摂取
サバやイワシなど青魚に含まれるEPAやDHAがアルツハイマー病の発症リスク
を軽減すると言われている、とのことで、
森田医師によれば
1日に1回以上魚を食べる人はアルツハイマー病の発症率が5分の1だそうで、
食べ方は池谷敏郎医師によれば「できれば生」「缶詰でもよい」とのこと。
※またまたEPA・DHAですが(゜ロ゜)、
これ、たぶん糖尿病や血糖値絡みの対策だと思うんですよね。
やせるホルモン「GLP-1」を大量分泌させる栄養素はEPAと食物繊維だった!|驚異のサバ缶パワーで努力しなくてもやせられる!?|たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学〜身体を老けさせない秘密 第4弾 やせるホルモンで病の元凶・肥満を解消SP(7/30) 本編
で詳しく取り上げましたが、痩せるホルモンと言われるGLP-1って
インスリンの分泌量に関係しますし、糖尿病の薬としてGLP-1製剤があるわけですし。
それにしても、EPA・DHAって中性脂肪とコレステロール減らして、
しかも痩せて、スギ花粉症の緩和や予防に効果があって、
アルツハイマー病の予防にもなるってどれだけ凄いんでしょうね〜(*´∀`)。
A運動習慣
速めに歩くウォーキングやサイクリングなど
2週間に1回30分の有酸素運動が効果的で、
運動習慣のある人はアルツハイマー病のリスクが50%軽減する、
とのこと。
(たけしの家庭の医学では1日50分のウォーキング奨めたので違いが激しすぎ…。
でも、ナレーションの説明ですのでこれ以上の根拠は説明無かったです)
B知的活動
吉田勝明医師によれば、
読書(新聞など活字を読むのでも良い)や音楽鑑賞(顔騎演奏やカラオケでもよい)
などはアルツハイマー病のリスクを60%軽減する
とのこと。
C昼寝(1日30分程度)
ドイツの国立精神・神経医療研究センターの調べでは
昼寝を定期的に行っている人はアルツハイマー病の発症リスクが5分の1に低下する
とのこと。
D飲酒(ワインを1日2〜3杯程度)
お約束の「適度の飲酒」だそうですが、森田医師によれば、
「フランスの研究で赤ワインが良いと言われてるんですが
ワインを2〜3杯程度飲むとアルツハイマー病の危険性が4分の1」
だそうです(たけしの家庭の医学では日本人男性は2杯、女性は1杯)。
但し、
・今まで(お酒を)飲んでいなかった人が飲むのはダメ
・飲み過ぎも当然ダメで、1年間に2回以上酔いつぶれる人は
アルツハイマー病のリスクが約10倍になる
と、真逆の効果になりますし、番組では見出し的に「飲酒」とはしてましたが、
日本酒や焼酎やウィスキーがアルツハイマー病予防に効果があるとは誰も
言ってませんでし、たけしの家庭の医学でも「抗酸化作用があるから」
魚介類・オリーブ油・ワイン・緑黄色野菜を奨めていたって事情から考えると、
多少のアルコールはアルツハイマー病予防に効果があると言っているのではなく
ワインのポリフェノールがアルツハイマー予防に効果があるってコトだと思われます。
アルツハイマー病の治療法
すごくオマケ的でしたが(話題が発見法や予防法中心だった所為?)
吉田勝明医師によれば
@薬物療法⇒アルツハイマー病の進行を遅らせるだけ
A非薬物療法⇒音楽・運動・アニマルセラピーなど行動・感情に焦点を当てた治療法
だそうで、アルツハイマー病を完治させる方法は見つかっていないとのことで、
重要なのは予防と抑制だそうです。
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