2014年06月12日

股関節の軟骨がすり減ると腰痛になる!?|股関節セルフチェック(パトリックテスト)&股関節ストレッチ(足広げ運動・骨盤起こし運動)|身体が硬く頻尿や尿漏れがある人は脊髄終糸症候群で腰痛になっている可能性がある!|たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学〜長引く腰痛の意外な2つの新原因 徹底解明SP(6/10)

原因不明の腰痛は腰が原因ではなく、
股関節の異常や脊髄末端の終糸が伸縮しないのが原因かも


6/10のテレビ朝日系(朝日放送系)
たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学
〜長引く腰痛の意外な2つの新原因 徹底解明SP

の話題です。

日本人の5人に1人が腰の痛みを抱え、何とその内85%は原因がハッキリ判らず、
治らない痛みに苦しみ続けているんだそうですが、
近年、原因不明だった腰痛の新しい原因が判ってきたんだそうです。

その内の2つが今回番組で取り上げられた

・腰と関係なさそうな股関節の軟骨がすり減ることで起こる腰痛

・腰の部分ではありますが脊髄の終糸という糸状の収縮しない(=身体が硬い)
 のが原因で起こる腰痛(脊髄終糸症候群:せきずいしゅうししょうこうぐん)


なんだそうです。

でも、股関節の異常についてはセルフチェック法と
とっても簡単な改善&予防ストレッチがあるので自力改善が可能そうですし、
脊髄終糸症候群は病院で終糸を切断する手術が必要ですが、
身体まで柔らかくなるようですので、原因不明の腰痛を抱えてる方は
ストレッチを試すなり、医師に相談すると良いかも。
(ただ、病院に行って「腰が痛い」って言うだけだとMRI検査にも引っ掛からない
ことがあるようですので、用語を覚えて具体的に相談した方が良いかも)




腰痛の新原因@ 股関節の異常が腰痛を起こす場合がある!


神奈川県厚木市の神奈川リハビリテーション病院副病院長の杉山肇医師によれば
腰ではない別の場所=股関節の異常で腰痛を引き起こしてる場合があるんだそうで、
股関節(足の付け根の関節)には袋があって、そこに非常に多様な神経が入っており、
股関節の痛みが伝わる途中で混線し脳が腰痛と勘違いしてしまう
とのことで、
股関節異常の推定患者数は約200〜500万人で、
腰痛と勘違いして股関節の異常に気づいていない潜在患者も少なくないし、
股関節以上の患者さんの多くが最初は腰痛を訴えるので、
杉山肇医師が治療する前は前のお医者さんのところで腰痛の治療を受けてた
なんてことがとても多いんだそうです。

ナレーションの説明では、
股関節は人体最大の関節で大腿骨の端にある直径5cm程の丸い骨と
それを受ける骨盤のお椀の様な部分が組み合わさった人体の要といえる関節で、

kokansetsu.jpg

この股関節の隙間でクッションの役割を果たしている軟骨
何らかの原因ですり減ることで周りの組織に炎症が起き腰痛を引き起こすことがある
nankotsu.jpg

とのこと。




股関節異常による腰痛の特徴は?


この部分はスタジオ出演した杉山肇医師への
キャイ〜ンの天野ひろゆきさんからの質問でしたが、
杉山肇医師によれば、

・背中が痛いということはあまりない

・腰〜お尻〜太ももに掛けて痛い


このような座骨神経症のような症状の場合は股関節異常のことも
頭に入れておかなければいけない、とのことです。




股関節異常(軟骨のすり減り)で腰痛を引き起こすしやすくする2つの原因
⇒臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)&姿勢


勿論加齢で軟骨はすり減っていきますが、
それ以外に軟骨をすり減らし易くし、股関節の異常から腰痛を
引き起こしやすくする原因が臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)と
姿勢の悪さ(骨盤が後ろに傾く)の2つなんだそうです。

■原因1:臼蓋形成不全(きゅうがいけいせいふぜん)■

杉山肇医師によれば
「骨盤の屋根が足りないという言い方もしますけど、
そういう方は軟骨がすり減りやすい」
とのこと(骨盤の屋根って言われてもピンと来ませんが…)。

kyugaikeiseifuzen1.jpg

ナレーションの説明では、
臼蓋形成不全とは
大腿骨の先端を包む骨盤の屋根が浅く大腿骨がきちんと覆われていない状態
のことで股関節に負担を掛ける、
とのこと。

また、逆に屋根が深すぎる人もいて
kyugaikeiseifuzen2.jpg

こうした骨盤の形の悪さが股関節異常を招きやすい1つめの原因で、
中でも日本人女性に多いのは屋根が浅いタイプで
正常な人と比べ骨盤の屋根の部分が浅く大腿骨を覆い切れていないため
骨盤から骨が大きくはみ出ていて、こうなると、
本来骨全体で受けるハズの加重が狭い範囲に集中して、
加齢と共にダメージが蓄積されることで軟骨をすり減らしてしまう、
とのこと。

また、腰痛の話を取り敢えず置いておくと、
臼蓋形成不全は変形性股関節症の前段階と考えられているようで、
(参考:日本整形外科学会の臼蓋形成不全変形性股関節症のページ)
変形性股関節症まで行っちゃうと腰痛どころか歩行困難になり
かなりな大手術みたいですので(参考:岐阜大学医学部整形外科)
次の姿勢も含めて早めに対策した方が良いかも・・・・。



■原因2:姿勢■

yoishisei_waruishisei.jpg
(左は悪い姿勢、右は良い姿勢)

良い姿勢の場合は、骨盤が地面に対して垂直になっていてお尻がキュッと上がるが、
悪い姿勢の場合、猫背でお尻が前に出て骨盤が回転して後ろに傾いてしまい
kotsuban_katamuki.jpg

悪い姿勢だと大腿骨の一部がはみ出してしまうので加重が狭い範囲に集中し
軟骨がだんだん傷んできてしまう
んだそうです。




股関節に負荷を掛ける日常動作(家事)とは?


更に追い打ちを掛けるのが日常のどうせ出股関節に掛かる負荷の大きさ
なんだそうで、
股関節には常に想像以上の負荷が掛かっていて、
日常の動作をする時、身体のバランスを取るため筋肉は常に収縮し、
筋肉の締め付ける力等が加わることで股関節に体重以上の負荷が掛かってくる
ので、
骨の形が悪い人、姿勢の悪い人は長年大きな負荷が掛かり、
軟骨がすり減り、腰痛を引き起こす、
とのこと。

番組では、一般的な主婦の日常の家事でどのくらい股関節に負荷が掛かるか?
という実験を機械を使って行っていましたが、その結果は

housework.jpg

1位 買い物(両手に10kgの袋を持った場合) 797kg(体重の16,6倍)
2位 料理をする 277kg(体重の5.8倍)
3位 掃除機を掛ける 242kg(体重の5倍)
4位 洗濯物を干す 211kg(体重の4.4倍)

だそうです。

杉山肇医師の患者さんの中に洗濯物を干していて転倒して
骨折する人が結構いるんだそうですが(えっ〜?洗濯物干しで?って思いますが)、
これは、重心が移動するため、筋肉が激しく動き負荷が大きくなる、
ということのようです。
10kgの荷物持って買い物から帰ってくる、っていうのは言わずもがなですね。




股関節セルフチェック法=パトリックテスト


トリックテストは、広く股関節の異常を発見するための
医療現場でも最初に行われることの多い簡易テストなんだそうです。

■股関節セルフチェック法=パトリックテストのやり方■

kokansetsu_self-check.jpg

@仰向けに寝て片足を組む(片足を反対側の足の外側に付ける)

A組んだ片足を下に向けて倒していく(@で床に付けた足は床から離しながら)

B倒した足が床と水平になれば問題なし
nankotsu_suriheri_miwake1.jpg


C股関節に異常がある場合、痛みのため途中までしか倒せなかったり、
 そもそも足を組むことも出来ない人もいる
nankotsu_suriheri_miwake2.jpg


因みに、上記が出来なかった場合、お医者さんが詳しく診察しますが、

・倒した足が水平になる様に足を押さえると痛い

・左右の足の倒れ方が異なる


といった場合は陽性(股関節異常の疑いアリ)とのことで、
更にレントゲン検査ですが、
足を押さえても痛くない、左右の足の倒れ方が同じな場合は
単に身体が硬いだけで股関節には異常なしと診断されるそうです。




杉山肇医師式長引く腰痛を解消する2つの股関節ストレッチ!
足広げ運動&骨盤起こし運動


これは杉山医師が実際の患者さんに指導しているストレッチなんだそうです。
股関節を動かすことによって軟骨に栄養が行き渡ると同時に、
硬くなった周囲の筋肉がほぐれるので、腰痛等の症状改善と予防に効果的

(今痛みがない人でも予防効果があるそうです)
とのこと。

足広げ運動骨盤起こし運動をそれぞれ10回1セット毎日2〜3セット行うと
早ければ1週間くらいで効果が現れる
そうです。

■足広げ運動のやり方■

1.椅子に浅く腰掛ける

ashihiroge_undo1.jpg


2.足を開いたり閉じたりして股関節を動かすだけ
ashihiroge_undo2.jpg



■骨盤起こし運動のやり方■
kotsubanokoshi_undo.jpg

1.足広げ運動同様椅子に浅く腰掛ける

2.お腹を引っ込めた状態からお臍を突き出したり引っ込めたりして骨盤を回転させる

3.ポイントは肩は動かさずお腹だけ動かすようにする


これらをパトリックテストの時陽性で、レントゲン検査で臼蓋形成不全
と診断された方2人に1週間試して貰ったところ

腰痛歴5年でパソコンソフトの開発で長時間パソコンに向かっているため
立ち上がる時等に痛みのあるの樋口さん(男45)って方は、
最初の2〜3日は痛かったそうですが、その後は痛みがなく、
パトリックテストでは足が30°までしか傾かなかったのが水平に、

看護師で患者の介護等で腰や股関節に負担を掛けている
腰痛歴30年の刈谷さん(女67)は、40°20°
kariya.jpg

立ったまま靴下が履けるようになった、
という訳でどちらも改善していました。



腰痛の新原因A 脊髄終糸症候群
体内にある1本の糸(終糸)が引き起こす謎の新型腰痛の正体


脊髄終糸症候群(せきずいしゅうししょうこうぐん)による腰痛の場合
前屈みの姿勢を避けると改善することもあるようですが、椅子に座るとか物を取る
とかいった日常の動作を避けることは難しく、
1度症状が出てしまうと多くの場合手術が必要なんだそうで、
(参考:厚生中央病院)
テレビに登場した駒形正志医師は、↑↑で引用した
東京都目黒区厚生中央病院の脊椎脊髄外科部長で
脊髄終糸症候群による腰痛の日本国内の第一人者だそうですので、
詳しくは厚生中央病院のページを見て頂くと良いかと思いますし、
番組も自力治療法があまり有効じゃない所為か殆どナレーションでの
説明でしたので、ナレーションをまとめる形で書こうと思います。

脊髄終糸(せきずいしゅうし)とは、

shuushi1.jpg

脳からの信号を伝える太い神経組織の脊髄(せきずい)と背骨の端にある尾骨を繋ぐ
長さ約25cm、太さ1mmほどの糸の様な組織で、
通常、終糸(しゅうし)にはゴムの様な弾力性があり、腰を曲げる時も伸びるので
脊髄を引っ張らない様に調節出来る。

しかし、元々この終糸が硬い人がいて、所謂身体が硬い人に終糸が硬い人が多く、
前屈をした時、指先と床が20cm以上離れていると終糸が硬い可能性がある
zenkutsu.jpg


終糸が硬い人は、殆ど終糸が伸びないため、
shuushi2.jpg

脊髄が引っ張られ、この状態が長く続くと脊髄の一部で血行が悪化、
そこに重い物を持ったり、長時間同じ姿勢で立つといった脊髄に更に負担が重なると
細胞が酸素不足に陥り、神経が興奮し、激しい痛みを引き起こす。


【脊髄終糸症候群の症状】

・前屈みでうつむいた姿勢(トイレでしゃがむ、掃除機を掛ける、お辞儀をする等)
 前屈みの体勢で痛みを増す

 ⇒終糸が伸びず脊髄が引っ張られるから

・頻尿、尿漏れ等膀胱の症状、下痢や便秘などお通じの症状を伴うことが多い
 ⇒血行不良になりやすい所(脊髄)には腰や足へのの神経の他にも
  腸や膀胱に通じる神経にも走っていて、これが影響するから


【脊髄終糸症候群の発見と治療法】

MRIの画像には現れないため発見が極めて難しいが、
ひとたび診断がつけば、終糸を切断することで劇的に腰痛が改善する
(中央厚生病院のページには、手術後2〜6ヶ月から回復が始まり、
1年後には46%の人が完治、52%の人が改善で、98%の人に効果があったとのこと) 
終糸は盲腸と同様に不要な組織で、切ってしまっても全く影響がない
※テレビに出てきた患者さんは、痛みがなくなったことは勿論、
 治療前は前屈すると床との間が40cmも離れていたのが、手術後は
 床に手の指の付け根辺りまで着くくらい身体が柔らかくなっていました。

ということで、
「(症状に)心当たりのある方は専門医に相談されることをお薦めします」
とのことですが、なにせ発見が難しいってコトのようですから、
行ける距離にお住まいなら厚生中央病院に行くのが手っ取り早いかなぁ〜と・・・。





【体のゆがみ総合(骨盤、腰痛、ひざ痛…他複合等)の最新記事】