2014年11月17日

うつ(鬱)は精神の弱さではなく神経伝達物質(セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリン)不足で起こる脳の病気!|うつになりやすい傾向度チェック|うつの人に「頑張って」はNGワード!うつの人に言ってはいけない言葉|産後うつの原因は女性ホルモンの減少|駆け込みドクター!〜身近な病気…うつを学ぶ(11/16)

「うつ」は誰にでも起こり得る!
「うつ」は精神的な弱さとか性格の問題ではなく神経伝達物質の
やり取りが上手く行かない脳の病気!!


11/16のTBS系
駆け込みドクター!〜身近な病気…うつを学ぶ
の話題です。

何と10人に1人も「うつ(鬱)」を経験するんだそうですが、
森田豊医師によれば
「うつって言うと気持ちの問題だとか精神的に弱い人がなるってイメージが
あるんですが、そんなことないんですよ。
『僕は大丈夫』という人も急にうつになったりすることありますから、
誰にでも起こると思って頂いた方が良い」
とのこと。

また、うつ病専門医で杏林大学医学部付属病院精神神経科 古賀良彦医師によれば


「うつ(鬱)というのは精神的な弱さとか性格の問題で起こる訳ではないですよね。
実際には神経伝達物質という脳の中で情報をやり取りするものなんですけど、
このやり取りが上手く行かなくなる、つまり『うつ』は脳の病気なんですよ。」
とのこと。

後でも書きますが、うつになりやすい性格として真面目・几帳面・・なんて話を
古賀先生されてましたが、ココで言っている「性格の問題」っていうのは、
うつになりやすい性格のコトじゃなくて、性格に欠陥があるからうつになるとか
そういうことじゃない、って意味なんだと思いますが、
とにかく、ナレーションの補足説明では脳の神経伝達物質とうつ症状の関係

セロトニン
セロトニンは「安らぎ」を与えてくれる物質で、
不足すると気分が落ち込み不眠になる

※この点については後でも出てきますが、アメリカの研究でうつになった人の41%が
 うつになる前に不眠になったとのことで、古賀先生もうつ病関連の書籍より
 不眠関係の書籍が目立ちますから、うつと不眠は同系統の専門分野で、
 かなり関係あるってことなんでしょう。

ドーパミン
ドーパミンは意欲的になり、前向きな行動を起こす。
不足すると何事にも無気力になってしまう。

ノルアドレナリン
ノルアドレナリンは適度な緊張感を保つ。
不足すると集中力などが著しく低下する。

とのことで、うつの症状をまとめると、うつの主な3つの症状
・自分は将来どうなるのだろう等不安な気持ちに襲われる不安感
・全ての行動が億劫になるやる気の低下(無気力)
集中力の低下・思考力の低下
更に
胃痛・便秘・頭痛・肩こり・吐き気、最悪の場合自殺など
とのことです。





うつ病の診断基準は初期症状、症状の程度、症状の持続期間!


古賀良彦医師によれば
「うつは自覚が無い方は少ないんですが、自覚があってもなかなか病院に来て頂けない」
と仰ってましたが、
うつ病の人って自覚があるんですね・・・。
これが後に出てくるうつ病患者へのNGワードにも繋がったりするので、
本人も周りも次の様なことに気づいたら病院に行くのを勧める、
っていうのが無難って感じなんですが、

古賀良彦医師によれば診断の基準は
「初期症状」「症状の程度」「症状の持続期間」この3つがポイントになるんだそうで、
古賀先生とナレーションの話をまとめると

診断ポイント@ 初期症状
うつの初期症状は気分が憂鬱になると考えがちだが、
実際には不眠・食欲不振といった症状が多く、
アメリカの調査ではうつ病患者の41%うつ病発症前に不眠の症状が出ていた、
(出典:Ohayon MM:Insomnia:A ticking clock for deoression? J.Psychiatr
Res 41:893-4.2007.)
とのこと。

診断ポイントA 症状の程度
うつの大きな特徴は「自分が非常につまらない人間だ」と思い込む妄想
そして最も気の毒な症状は「死んでしまった方が良い」という自殺願望
とのことで、
自分の所為でもないのに自分が悪い、自分の所為で取り返しの付かないことを
してしまったと強く思い込んでいたり(自分を追い込む)、死んで詫びたい等
本気で考えている時は鬱の可能性が高いんだそうです。

診断ポイントB 持続期間
2週間もずっと憂鬱な気持ちが続くという様な場合(約2週間以上)、
(古賀先生は)うつを疑うことにしている、
とのこと。

また、古賀医師によれば、うつは基本的には問診でしか判らないそうですが、
最近になって右側の脳の血流と左側の脳の血流のバランスが悪い、
というのが判ってきたんだそうで、一往診断にも使われているようです。

また森田豊医師によれば最近子供のうつというのも増えているんだそうですが、
「お子さんって『自分が憂鬱だな』ってコトは言わないですよね?
多くの患者さんは頭が痛いとかお腹が痛いとか…、それで別の科で良く話を聞いてみて
うつだということが判ることも多い。
だから気持ちの落ち込みだけじゃなくて体の症状が出てくるというのが
うつの特徴なんでしょうね。」
とのこと。

また池谷敏郎医師によれば
うつになると心筋梗塞や脳卒中になる危険性が高まり、
脳卒中はうつになると発症リスクが1.45倍になるという報告も2012年に出されている

とのこと。この理由はナレーションによれば
脳卒中や心筋梗塞の主な原因は動脈硬化で、うつになると運動量が低下し、
更に食への拘りが無くなるため食事が偏り、その結果動脈硬化を引き起こす、
とのこと。





うつの様々な症状の例


番組で3つ程具体例のVTRを流していたんですが、
厚生労働省の「こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
というサイトを元に再構成したんだそうで、もっと具体例が知りたい方は
↑↑を御覧になると良いと思いますが、番組で取り上げていた内容を書いておきます。
ちょっと変わった症状もあるので参考になるかも。


CASE@ 30代男性会社員Aさんの場合

昇進して本社への栄転も決まりヤル気に溢れていたが、
不慣れな土地と仕事のプレッシャーがストレスとなり、
頭痛と疲労感が続き、3ヶ月後心臓を鷲掴みにされたような痛みで内科に行ったが
異常なしと診断され、更に水滴の音など今まで気にしなかった音に敏感になる、
気分が落ち込み吐き気までもよおすようになり、
同僚からの薦めで心療内科を受診して“うつ”と診断されて休職し
6ヶ月間中量を受けた。
Aさんの症状のまとめ:頭痛 疲労感 胸に激痛 音に敏感になる 気分の落ち込み 吐き気


CASEA 18歳の女子大生Bさんの場合

大学入学を機に上京、初めての1人暮らしが始まったが、ある朝
まるで鉛が入ったかの様に体が重かった。
昼過ぎまで起きられない日が何日も続き、いつしか部屋に引きこもる様になった。
更に何を食べても砂を噛んでいる様な食感で味が分からなくなり、
1年半の通院でようやく回復、今は症状が出ることもなく会社員として働いている。

Bさんの症状のまとめ:倦怠感 朝起きられない やる気の低下 味覚障害


CASEB 25歳の会計事務所勤務の女性Cさんの場合

真面目な性格で周りからも頼りにされていたが、その分失敗してはいけない
というプレッシャーが日ごとに増し、
あったはずの書類が見つからない等物がないと騒ぐことが多くなり、
「みんなが隠しているんだわ、ひどい!」という妄想に囚われ
周りの会話が全て自分の悪口だと思い込むようになり、
ついには見知らぬ人にさえ敵意を感じる様になった。
退職して5年以上経っても妄想が消えていない。

Cさんの症状のまとめ:不安感 被害妄想 敵意を感じる

ゲスト出演者からは「普通引っ越しとかって気分転換で良いんじゃないですか?」
「何が原因何だか判らない」なんて声が上がっていましたが、
古賀良彦医師によれば
「うつっていうのは不思議なことに、
ずっと淡々とした生活を送っているとうつにならない
良いことにしても悪いことにしても何か大きいイベントが起きると
うつになってしまう

とのことで、ナレーションによればうつになるキッカケ
上司との関係 病気 死別 転居 昇進 娘の結婚など
つらいことだけではなく引っ越しや昇進など明るい人生の転機さえキッカケに
なる
ことがある、
とのこと。





うつになりやすい傾向度チェック!とそれぞれの項目の理由
&うつになりやすい5大要素


なんか異論・反発出そうな項目が多いですし(ノ∇≦*)、
春日院長なんか@以外全部でダントツにチェック項目多かったりでしが、
あくまでうつになりやすい人のタイプでその傾向が強い程うつになりやすい
とのことで、将来ひょっとして…なんて思った時思い出すと良いかもですが、
6個以上⇒危険 3〜5個⇒注意 2個以下⇒問題なし
だそうです。

うつになりやすい傾向度チェック!
@外食のメニューはいつも同じ
A連ドラは録りだめして一気に見たい
B携帯は1日30回以上チェックする
C並んでいる所に割り込みは許せない
D飲み会では1円単位で割り勘にしたい
E休日でもびっしり予定を組みたい
F1分でも遅刻されると腹が立つ
G周りに敵を作りたくない

古賀良彦医師によればうつになりやすいタイプ
真面目 几帳面 人付き合いに気をつかう 秩序を愛する
だそうで、理由側からチェック項目を当てはめると

真面目
A連ドラは録りだめして一気に見たい
E休日でもびっしり予定を組みたい

几帳面
B携帯は1日30回以上チェックする
D飲み会では1円単位で割り勘にしたい

気をつかう
G周りに敵を作りたくない
C並んでいる所に割り込みは許せない

秩序を愛する
@外食のメニューはいつも同じ
C並んでいる所に割り込みは許せない
F1分でも遅刻されると腹が立つ


だそうす。

また、上と似てるんですが、古賀良彦医師によれば
うつになりやすい5つの要素
というのもあって、
(何が違うのかイマイチですが性格面に絞ったんでしょうか?)
@真面目
A几帳面
Bためこみやすい
Cこだわりが強い
D気をつかう
だそうで、
2つ以上当てはまったり、1つがとても強い場合は要注意
だそうでが、森田医師によれば
「この5大要素というのはタレントさんとしても普通の職場に勤める人でも
社会的に貢献してる人が多いんですよ。
だからすごく良い人なんですよ。ただちょっとオーバーワークになってしまうと
うつになりやすいということを気付けるかどうかが大切」
とのことです。




周りの人がうつに気付くポイントとうつの人に言ってはいけない言葉


大竹真一郎医師によれば
うつの患者は自分でうつだと気付いていることが多いが、
周りには言わず、医療機関に行って診て貰うことを嫌がったり躊躇う
傾向があるので、周りの人が気づいて医療機関に行くのを勧める
のが良いんだそうです。

周りの人がうつに気付くポイントは
@急に仕事などでミスが目立つようになった
Aだんだん口数が減ってきた(映像では夫婦の会話でしたが)
B身だしなみに拘らなくなった(服や髪型など)


またゲストの宮川一郎太さんの
「昔、僕の友達に眠れないって人が居たので、
『楽しいこと考えようよ』って懸命に説得したことがあるんですが」
との発言に対し、古賀良彦先生は
「残念ながらね、『頑張れ』とか『楽しいことを考えろ』
っていうとかえって沈んじゃう
んです」(゜ロ゜)
とのことで以下はナレーションで説明していたうつの人に言ってはいけないNGワード。
(理由部分は森田豊医師)

うつの人に言ってはいけない言葉とその理由
「頑張れ」
⇒元々うつの人は几帳面で真面目なのでその人に更に仕事をさせ消耗させる
「怠けてるんじゃないの?」
⇒正常な人の気分の落ち込みと区別して貰えず、うつという病気を
 理解して貰えてないという意識がある

「誰にでもある事だよ」
⇒同上
「どのくらいで治るの?」
⇒うつの人は多かれ少なかれ不安を感じているので、その不安を助長させる
「キッカケは何?」
⇒うつの人は振り返ってみてもどうすることも出来ず、またうつの人は
 全てのことに白黒付けたいと思っているので変えられない過去のことを
 考えさせ、更に混乱を招く


とのことで、古賀良彦医師によれば
「とてもそんな言葉じゃ慰められないくらいうつの人は辛いんですよ。
『誰でもある』なんて言うけど、うつの患者さんっていうのは
こうやって生きているより死んでしまった方が遙かに楽だと思う辛さですから
我々が失恋してちょっと落ち込むって話とは違うんですね」
とのことでしたから、
これは夫婦とか近親者でも知識がなければ扱うの難しいと思いますが、

ナレーションの説明では
うつの人との接し方
・励ましすぎない
・話を良く聞き受け止めてあげる
・何時も通りに接する
だそうです。




産後うつは何故起こるのか?&女性の方が男性の約2倍うつになりやすい!


冒頭に市井紗耶香さんの映像出てたのに番組の最後にチョロっと
って雰囲気だったんですが、産後うつの話題です。

ゲストの元モーニング娘の市井紗耶香さん、24歳で結婚し、
今では3人の子の親なんだそうですが、市井紗耶香さんが体験したのが「産後うつ
だったんだそうで
・長女の出産後に症状が現れ、産後3ヶ月の間感情の起伏が激しかった
・赤ちゃんが泣き止まないと何がいけないのかな、お腹が痛いのかな等
 不安になってしまったり、子供が可愛くなくなって疎ましく思ってしまう
 時期もあった
・24時間ずっとほ乳瓶を洗っている様な気がして、ちょっとしたことでも
 マイナスに捉えがちだった
・もしかしたら子供に手を挙げちゃったり怒鳴ったりしてたかも知れない
・母の「そこまで考えなくていいのよ」「むしろそんなに頑張らなくていいのよ」
 との言葉でやっとホッとすることが出来た

といった症状だったとのこと。

古賀良彦医師とナレーションの説明をまとめると

sangoutsu_female hormone.jpg

・お産の後は女性ホルモンが大きく減少し精神的にも不安定な状態になる
産後うつ出産後2週間〜3ヶ月の間に発症し、
 女性の10〜20%が経験する
・生活が子供中心になるなどライフスタイルの変化がストレスになる
・うつなので気分が落ち込んで食べられない眠れないという症状以外に
 恐いのは子供に対する関心や感情が失われ世話をするのが億劫になり
 育児放棄
・夫に対し過剰なまでにヒステリックになる

とのことで、
症状が1週間以上続くようなら1人で抱え込まず専門医に相談しよう
とのことでした。

また友利新医師によれば、
・うつは男性に多いと思われがちだが、女性の方が男性の約2倍うつになりやすい
・女性がうつになりやすい理由は生理・出産・更年期などでホルモンバランスが
 崩れやすいのと、女性の社会進出でストレスに曝されることが多くなったから

とのことでした。




うつの予防策は早寝 早起き 三度の飯の規則正しい生活と
毎朝日を浴びてセロトニンを分泌させること!


うつ病になってしまったらお医者さんに行って治療を受けるしかなさそうですが、
ホントに最後にチョロっとでしたがうつ病の予防法もやっていました。

古賀良彦医師とナレーションの話をまとめると、
・どんな病気もそうですが早寝 早起き 三度の飯の規則正しい生活が大原則
毎朝日に当たること。朝日を浴びると脳の神経伝達物質セロトニンの分泌を
 促進し、うつを引き起こすセロトニン不足を防ぐことが出来る
・うつ病の治療法としても光療法(高照度の光を長時間当てることで生体リズムを整える
 という療法)というのがある


とのことで、やっぱり不眠治療とうつ病治療って似てるんですね。
結局睡眠が万病を防ぐみたいな話に落ち着いちゃうんでしょうか?(´▽`*)






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posted by prin at 02:58 | 健康総合 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする